
2009年12月15日
マーケティングの歴史
歴史が語るマーケティング論の原点
マーケティングの原点は、孫子の兵法!?
近代マーケティング理論は、1900年頃のアメリカで誕生したと言われています。
有名な話しでは、フォード車の画期的な大量生産による、価格の大幅ダウンを実現したビジネスモデルです。このビジネスモデルをベースに、大量生産・大量消費時代をむかえることになりました。
それでは、近代マーケティングの原点になったのは?といわれると、私はこう答えています。
「孫子の兵法」です。と・・・
今から、約2500年前の中国では、すでにマーケティングの原点(兵家)を仕事にしていた人がたくさんいました。日本では、まだ縄文時代で、国家がまだない時代です。彼らの仕事は、あらゆる知識や科学などを用いて、戦争に勝つことでした。その中でもっとも有名な人は、誰しも一度は名前を聞いたことがある「孫子」です。
映画レッドクリフでも大活躍した「諸葛亮孔明」、軍略家と知られるフランスの皇帝「ナポレオン・ボナパルト」、日本では風林火山の陣旗で恐れられていた「武田信玄」も孫子の兵法を読んでいたと言われています。孫子の兵法をマーケティング的に解釈した考えを「ざっくり」 説明します。

風林火山の旗印は武田信玄よりも200年早く、南北朝時代の鎮守府将軍であった
北畠顕家が、足利尊氏を打倒するために、兵を挙げた時から使用していた陣旗でした。
孫子曰く・・・
① さまざまな情報収集から状況判断し、最も最善と思われる行動決定を行う。
マーケティングの市場調査やSWOT分析にあたる部分で、自分と敵を知り、どこで、どの敵と戦うべきかを捉えるポジショニング・マップを実践していた。
② 勝ち目のない戦いはせず、勝算のある戦略構築を行う。
10倍の兵力なら包囲、5倍の兵力なら真っ向勝負、2倍なら分割して戦う。
市場シェア別にトップシェアを「リーダー」、シェア2位を「チェャレンジャー」、3位以下を「フォロワ」、競合との戦いをさけた市場で勝負する「ニッチャー」とした場合、それぞれのボジションによって戦う相手と戦い方を決定する戦略モデルを構築していた。
③リーダーシップの重要性、発揮させる権限。どんなに優秀な人材でも、権限がなければ、実践することはできません。また、勇気はあっても戦略がない人、戦略はあっても実践する勇気がない人、短気な人、名誉を重んじる人、人情深い人は、リーダーシップを取る時に、注意しなければならないと提言しています。チームで作業するクリエイティブ・ワークは、プロデューサやディレクタによって、大きく左右される傾向があります。
私自身も「孫子の兵法」をブランド・マーケティングの参考にしたり、ビジネスに活かしたりしています。 興味がありましたら、 多くの著者の方から本が出版されています。 是非読んでみてください。次は、中国からイギリスに舞台を移し、ランチェスターというエンジニアが考えた戦略を紹介します。
イギリス生まれのアメリカ育ち、ランチェスター戦略とは如何に!?
第一次世界大戦時に、イギリスの航空工学エンジニア「F・W・ランチェスター」は、自分が開発した戦闘機がどのくらいの損害量を与えるかを研究し、法則をつくりあげました。
その後、第二次世界大戦の時にアメリカ軍は、このランチェスターの法則を応用したと言われています。
その法則は、「弱者の法則(第一法則)」と「強者の法則(第二法則)」です。
その後、産業界・経済界に応用され、ランチェスター戦略が構築されました。
またまた、「ざっくり」説明します。
① ナンバーワン主義
シェア率第1位のブランドです。第2位にいる追随ブランドとのシェア率を奪取不可能な射程距離外へ追い出すことです。攻撃されなければ、単独で1位( 独占ブランド)という考えです。私たちが普段仕事で使用している「ワード」「エクセル」などは、まさにここにあてはまります。
② 一点集中主義
限られた広告予算や開発費を一点に集中することで、一部の流通、分野、カテゴリーなどで、リーダー・ブランドになるという考えです。敵を潰すには、3倍の兵力が必要になる(3:1の法則)を考慮すると、敵地を小さくセグメントし、3倍の力で圧勝し、追随ブランドのシェア率を奪取していく方法です。
③ 足下の敵への攻撃
リーダー・ブランドのシェアを奪取するより、自社ブランドより下のシェアを獲得する方が、兵力を浪費しなくて済むという考え方です。ランク下のシェアを奪取できれば、自分のシェア率が向上し、競合ブランドのシェア率を下げることになるから、一石二鳥です。第3位、第4位ブランドが利用する戦略です。
ランチェスター戦略、孫子の兵法にしろ、重要なのは、「何を強み」とするかです。
差別化ポイントやUSP、自社の優位性などを整理することで、販売戦略のコンセプト(核)を構築し、ターゲット・ユーザーの生活コンテクストの導線上で、戦術を展開するが最もマーケティングで重要と考えます。
USP=Unique Selling Proposition 日本語で言えば「自社商品の最大の売り」
日本のマーケティングは!?
世界のマーケティングのはじまりは、アメリカではない。実は江戸時代からマーケティングを行っていた企業があります。有名な話しですが、 それは「越後屋」です。
越後屋は、「質や」からスタートした質商でした。その後、呉服と両替商に事業モデルを移行し、「問屋業」を確立しました。その後、現金のみで販売する「小売業」へ転換していきます。呉服部門だけが、分離し、現在の「三越」となりました。
越後屋の店内には、プライス・カードがあり、 チラシを制作して配布までしていました。雨が降ると「越後屋のロゴ」が入った傘を配り、この傘を持っている事がステータスの一つになったとまで言われています。明らかに販売戦略を担う「マーケティング機能」が存在していたと考えられます。時代の流れ、変化に合わせて、事業ドメインを変化させ、ビジネスを拡大していく・・・
まさに、現代に求められているブランディング戦略の一つを体現化していました。
最後に、マーケティング理論は万能薬ではありません。未来がわかる予言書でもありません。マーケティング理論に絶対成功するとは書いてありません。だからこそ、私たちは、理論に「LIVE感」をかけ合わせ、理論性を超えた「現場起点のマーケティング・スキル」を重視しています。
理論 × LIVE = ノイズ・バリュー(さまざまな声や匂いを価値に変える!?)
わたしのバイブルブックの一冊
「マーケティング戦略策定シナリオ/野口吉昭さん」
いつも知識と勇気を頂いています、感謝を申し上げます。

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