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Live Nois from TOKYO

2009年10月27日

笑いは、獲るもの?
誘うもの? 届けるもの?

笑いを「獲る=huntする」ことを命じられる

「100万円目指して笑いを獲れ!」。
ぼんやりとテレビを眺めていたら、そんなフレーズが聞こえてきた。

続いてお笑いコンビが登場し、観客を笑わせようと、舞台上で悪戦苦闘している。
なんか、必死だ。苦しそう。

でも必死になるのも、しょうがないのかもしれない。
だって彼らは、笑いを「獲れ」と言われているのだ。
獲る=huntすることを、命令されているのだ。

「笑わせる」を表現する、様々な言い回し

それにしても笑いって、いつから「獲る」なんて表現するようになったのだろう。
確かにここ数年、よく耳にするけど、「獲る」というより「取る」だったのでは?
まして「獲れ」なんて命令されるものだったっけ。

普通に言えば「笑わせる」だけど、ほかにもいろいろな表現があったはず。
たとえば「笑いを誘う」や「笑いを生む」「笑いを届ける」「笑いを挟む」なんて言い回しもある。ヘマをして笑われる場合は「笑いを買う」とも言う。

まぁ「買う」は置いといたとしても、笑いの性質によって「誘う」「生む」「届ける」
「挟む」など、様々な表現がもともとあって、そこに「獲る」が参入してきたわけだ。
それでは、表現の違いによって、一体どんなニュアンスが生まれるのだろう。

笑いの性質
笑いの性質: ↑クリックで拡大

「獲る」姿勢が最も強いのは、どんな人たち?

まとめてみると、「獲る」っていう表現、けっこう暴力的なニュアンスが含まれている。
で、ここ数年、この表現を耳にする機会が増えているわけだ。なぜだろう。
今のお笑いが特に暴力的だとは思わないし、まして、今が暴力的な時代、なんて結論づけるのもおかしな話だ。
芸の種類だって、漫才・落語・コントなど、基本的には昔と変わっていない。

それでは、ちょっと角度を変えて、テレビで最も笑いを「獲る」姿勢が強いのは、どんな人?と考えてみると、これは若手と呼ばれる人たちのような気がする。
ビートたけしやダウンタウンなどの大御所は、もはや獲りにいかずに、ゆったりと構えながら、誘ったり挟んだりしているし、中堅どころの人たちは「獲る」というより「取る」ニュアンスの方が近い。
やはりガッツいて笑いを獲りにいっているのは、若手と呼ばれる人たちだろう。
「笑いを獲れ!」と言われていた冒頭の番組の出演者も、ほとんどが若手芸人だったし。

主導権を握られているから、「獲」らなければいけない

そこで、「若手芸人」と「獲る」という表現の共通点を考えていくうちに、ひとつの要素に辿り着いた。
その要素とは、「主導権を握られている」ということ。若手芸人の多くは、MCでもスペシャルゲストでもなく、「その他大勢のゲスト」としてテレビに出演している。

典型的な例が、ひな壇芸人だ。主導権を握っているMCやスペシャルゲストの言動を拾っては、笑いを広げるのが主な役割で、いわば常に受け身の状態。だからこそ、誘うとか届けるなんて、悠長なことはいってられないのではないか。

また、笑いを「誘う」「生む」「届ける」「挟む」「獲る」のうち、唯一、主導権を握っていないのが「獲る」。他の4つは、ある程度、場の空気を支配していないとできない芸当だ。

で、この理論って、身近なところでも当てはまるような気がする。
例えば、合コンで積極的に笑いを獲りにいくのは男性で、それは、女性サイドに主導権があるからだろう。その一方で、婚活に熱心な女性が増えたのと、肉食系女子と呼ばれる人たちが増えたのも、決して偶然ではなさそうだ。

やはり仕事も積極的に獲りにいかないと…

仕事のことにも置き換えてみる。例えば、クライアントとの打ち合わせの席。
ある程度、自分のペースを保ちながら会話を進めるのは、ほとんどの場合、キャリアのある人たちだ。

それに対して、(僕もかつてはそうだったけど)キャリアの浅いうちは、一つひとつの言葉を「獲る」気持ちで発さないと、なかなか存在感がアピールできない。
なんとかして主導権をたぐり寄せるには、やっぱり獲る姿勢が必要なのだ。

と、こんな原稿を書いていると、社長からメールが。

タイトルは、「狩猟本能の目覚め」。内容を要約すると、「上司から仕事を頼まれる前に、社内で動いている、やりたい仕事を積極的に獲りに行けっ!」とのこと。
なんだ、このタイミング! というわけで、僕は必死で仕事を獲りに行ったのだった。。。 

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